医師養成の基本的な考え方
1 受け持ち医としての責任感、患者さんの一番の理解者に
一人の患者さんが一つの疾患だけを持って病院に来るわけではありません。
仕事や家族、経済的な問題など、生活場面での問題が治療と密接に関係していることもあります。高齢化の中でその傾向はますます強くなっています。
さまざまな問題を抱えた患者さんに、主治医としてしっかり向き合い責任を持つ。どんな専門性を持つとしても、Common Diseaseに対応できる総合的な力を持つ。地域医療の現場で求められているのはそうした力なのです。
それでは総合的な力をつけるには何が必要でしょうか。
地域に密着した中小病院、診療所の研修ではCommon Diseaseを豊富に経験することができます。患者さんの生活の場により近いため、患者さんの立場に立つとはどういう事かを深く学べます。
2 指導医との二人三脚
研修をより良いものにするためには、指導医も研修医も一緒になって議論することが必要です。研修指導は、専攻医も含めたシニアレジデントが中心となり、細かなレクチャーや日々の振り返りを担当しています。
毎月行われている研修医会では、研修医同士が集まり近況を報告。お互いに励まし合い情報交換もしています。ここで出された意見や要望は、研修スケジュールに反映したり、指導医にフィードバックしています。
3 研修医の患者さんはみんなの患者さん、
一人の学びは
みんなの学びに
患者さんからの学びは、自分の受け持ち患者さんに留まらないことが当院の特徴です。研修医・指導医の受け持ち患者さんは全て、病棟カンファレンスや回診で情報共有。診断や治療を全員が学びます。
研修医同士の症例カンファレンスでは、ドラマ形式・クイズ形式での学習をしています。実際に各研修医が経験した症例を使って実戦形式で議論。受け持ちの範囲を超えて、さまざまな症例を経験でき、何倍もの学びになります。