HCUとはハイケアユニット(High care Unit)の略です。一般病棟と集中治療室(ICU)の間に位置し、準緊急の患者様を受け入れています。人工呼吸器等医療機器を使用している、急性心筋梗塞、手術後など多岐にわたる患者様に対して、治療・看護を行っています。
HCUで大切にしている看護観
入院されている患者様には、多くのチューブや医療機器がつながっています。また、ベット上での安静を余儀なくされており、身動きが制限されること、HCUの窓から外観が見えない等環境によるストレス、ご家族との面会時間も制限されてしまっており、入院による苦痛を感じている方もおります。私たち看護師は、そういった苦痛が少しでも緩和できるよう、一人ずつ患者様と関わっています。
以前、何事にも意欲がなく清拭なども拒否されていた患者様がいました。その方に足浴を進めるとしぶしぶではありましたが受け入れてくださり、繰り返すうちに笑顔が増え、治療への意欲も聞かれるようになりました。また、洗髪や足浴を行うほかにも、好きな音楽を聴いていただいたり、塗り絵等もして過ごしていただいたりと、患者様にあった看護をおこないながら、入院中の苦痛が緩和できるよう、気持ちに寄り添った看護を心がけています。
看護師1人の受け持ち患者が2~4名と、一般病棟と比べ比較的関わる時間が多く、患者様との時間を大切にしています。緊急入院された患者様の病状が安定し、1日でも早く元の生活に戻れるよう、看護にあたっています。
急性期を担う看護師の役割
HCUでは多岐に渡る疾患の患者様が入室します。そのため多くの知識が必要となります。定期的な学習会を開催し、安全で安心な医療・看護の提供ができるようスキルアップを図っています。
また、看護師だけでは医療を提供できないため、週に1回多職種カンファレンスを開催し、患者様に必要な医療が提供できているか、急性期から回復期、慢性期に移行する患者様の予測も行い、急性期からの退院支援もの検討も行っています。多職種の視点から学ぶことも多くあります。