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ペースメーカー・
埋め込み型除細動器
植込み術

  • ペースメーカー

    心臓の収縮は電気信号によって制御されていますが、電気信号が途絶えるなど様々な要因で脈拍が遅くなる徐脈性不整脈に対する治療です。 500円玉程度の大きさのペースメーカーを皮膚を切開して植込み、心臓に電気刺激を与えることで徐脈を改善し脈拍数を正常範囲内に増やすことができます。 ※ペースメーカーの交換 ペースメーカーは内臓されている電池が消耗してきた場合に交換が必要となります。症状に応じて個人差はありますが平均して7~10年程度で交換の時期となります。交換の方法は植込みと同様に皮膚を切開して挿入されているペースメーカーを取り出し、新しいペースメーカーを接続して植込みます。

    埋め込み型除細動器(ICD)

    脈拍が早くなる頻脈性不整脈では早急に電気ショックをかけなければ致命的な状態となってしまうことがあるため、電気ショックをかける機器を体内に埋め込む手術です。 埋め込み型除細動器(ICD)の大きさはペースメーカーより二回りくらい大きく、皮膚を切開して植込み、心臓につなげた電極と接続します。 埋め込み型除細動器(ICD)は常に心拍を監視しており、頻拍が発生したことを検知すると自動的に電気ショックなどが作動します。 ペースメーカーも埋め込み型除細動器も双方治療は局所麻酔下にて行うため体への負担がすくなく、手術後はすぐに歩行も食事も可能です。

  • 適応する疾患

    ペースメーカー

    ・洞不全症候群 ・房室ブロック

     

    植込み型除細動器(ICD)

    ・心室頻拍 ・心室細動

  • 術前検査

    • ・心電図検査
    • ・ホルター心電図検査
    • ・血液検査
    • ・心臓超音波検査
    • ・胸部X線
    • ・埋め込み型心電図モニター
    • ・心臓カテーテル検査
  • 治療方法

    ペースメーカー植え込み術

    植込み部位は左もしくは右の鎖骨の下に行います。局所麻酔を行い4~5cmほど切開してペースメーカー(ジェネレーター)が入るポケットを作ります。鎖骨の下の静脈からペーシングリードと呼ばれる電線を心臓の中に進め、心臓の内側に固定します。心臓に固定したペーシングリードの反対側をペースメーカー(ジェネレーター)と接続し、皮下に作成したポケットに入れて切開した皮膚を縫い合わせます。
    ※ペースメーカーの交換 ペーシングリードに問題がなければペースメーカー(ジェネレーター)のみ新しいものに交換します。植えこまれている場所を局所麻酔を行い4~5cm切開して留置してあるペースメーカー(ジェネレーター)からペーシングリードの接続を外して取り出し、新しいペースメーカー(ジェネレーター)を元のペーシングリードに接続してポケットに入れて切開した皮膚を縫い合わせます。

     

    植込み型除細動器(ICD)

    手術はペースメーカー植え込み術同様に本体とリードを皮下に植込みます。
    術後 X線写真

    ペースメーカー植込み術後の創部
    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

    ペースメーカー植込み術後のX線写真
    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

  • 植込み機械の種類

    ①植込み型ペースメーカー(リードレスペースメーカー含む)

    ペースメーカーはリードの本数が1~2本と機能により異なるものがあります。また、皮下に植え込まずにカテーテルを用いて心臓に直接本体を固定するリードレスペースメーカーがあります。機械の種類は不整脈の種類や病状に応じて決まります。
    VVIペースメーカー
    DDDペースメーカー
    リードレスペースメーカー
    手術時間

    約1~2時間 
    (患者さんの病態によって異なります)

    ※カテーテル室への入室から病棟へ帰るまでの時間

    麻酔

    局所麻酔+鎮静剤

     

    ②両心室ペースメーカー(CRT-P)

    左右の心室の収縮のタイミングがずれてしまう場合にリードをタイミングのずれが大きい場所に固定して同調するように電気信号を送ります(心臓再同期療法)
    植込み型除細動+心臓同期療法

    植込み型除細動+心臓同期療法
    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

    手術時間

    約1~2時間 
    (患者さんの病態によって異なります)

    ※カテーテル室への入室から病棟へ帰るまでの時間

    麻酔

    局所麻酔+鎮静剤

     

    ③植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator, ICD)

    植込み型除細動器はペースメーカーと同様に心臓からリードを伸ばして鎖骨の下に本体を植え込むものと(ICD)、心臓ではなく皮下に植え込んだリードからわきの下に植え込むもの(S-ISD)があります。
    植込み型除細動器

    植込み型除細動
    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

    ICD植込み後のX線写真

    ICD植込み後のX線写真
    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

    手術時間

    約1~3時間 
    (患者さんの病態によって異なります)

    ※カテーテル検査室への入室から病棟へ帰るまでの時間

    麻酔

    局所麻酔+鎮静剤

     

    ④植込み型心電図記録計(Implantable Cardiac Monitor : ICM)

    検査を行っても原因が特定できない失神の場合に植込み型心電図植込みを行います。頻度の低い不整脈の記録が可能です。
    植込み型心電図記録計
    手術時間

    約30分~1時間 
    (患者さんの病態によって異なります)

    ※カテーテル検査室への入室から病棟へ帰るまでの時間

    麻酔

    局所麻酔

  • 入院期間

    約3日間

    入院 手術 退院

    ※入院期間はあくまでも目安であり、患者さんの状態によって異なります。

  • 入院費用

    ※ペースメーカー・埋め込み型除細動器植込み術は高額療養費制度が適応されます。費用は年収や年齢によって異なります。

    高額療養費制度について

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