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主な適応疾患

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  • 不整脈
  • 冠動脈疾患(狭心症・急性心筋梗塞)
  • 心不全(うっ血性心不全)
  • 末梢性
    動脈疾患(四肢閉塞性動脈硬化症)
  • 心臓弁膜症
  • 大動脈瘤
  • 大動脈解離
  • 不整脈とは

    心臓の鼓動が早くなったりゆっくりになったり、または不規則なリズムを刻む症状を不整脈といいます。 心臓は収縮することで血液を送り出すことができますが、その収縮は電気信号によって制御されています。右房にある洞結節という部分から電気信号が流れ、心房が収縮し、次に房室結節という中継点を電気信号が通過し心室が収縮することで全身に血液を運ぶことができます。こうした電気信号の通り道に問題が発生したり本来電気信号の通り道でないところに電気が通ったりすることでリズムが乱れることがあります。 不整脈で心臓の収縮運動が乱れると、動悸や脈の途切れを感じ、意識を失うような発作を起こすこともあります。
    不整脈の図
  • 不整脈の症状

    不整脈は、大別すると3つに分けられます。

    頻脈

    通常より脈がかなり速くなるタイプです。一分間に100以上を「頻脈」といい、120以上は病気を疑います。脈が速くなることで、ドキドキと動悸が起こります。動悸が長く続き、激しくなる場合や息切れが伴うと、胸痛や失神などの症状が現れます。心房細動や発作性上室性頻拍などの可能性があります。

    徐脈

    通常より脈がかなり遅くなるタイプです。一分間に50以下を「徐脈」といい、40以下になると息切れやめまい、立ち眩みなどの症状が現れます。

    期外収縮

    脈が一瞬飛んだり、不規則な打ち方をするタイプです。不快感や胸痛が現れます。胸痛がおさまらない場合は、心筋梗塞や狭心症の可能性があります。

    不整脈に伴って、強いめまいや息切れ、長く続く胸痛、意識障害、失神などが見られた場合は、早期に受診をしてください。

  • 不整脈の検査方法

    • ・心電図検査
    • ・ホルター心電図検査
    • ・心臓超音波検査
    • ・胸部エックス線検査
    • ・埋め込み型心電図モニター
    • ・心臓カテーテル検査
  • 不整脈の治療法

  • 冠動脈疾患とは

    虚血性心疾患とも呼ばれ、心臓への血液供給が部分的または完全に途絶えることで起こる病気です。心筋は、たくさんの酸素を含んだ血液を必要とします。動脈硬化が原因で冠動脈の血管の内側が狭窄することで、心筋への酸素供給量が減り、胸痛発作を起こします。 虚血性心疾患は、一過性の心筋虚血「狭心症」と、心筋壊死を伴う心筋虚血の「心筋梗塞」に大別されます。
    冠動脈疾患の図

    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

  • 冠動脈疾患の症状

    狭心症

    • ・胸を締め付けられるような絞扼感(こうやくかん)
    • ・胸を押し付けられるような圧迫感
    • ・胸が重く苦しい
    • ・胸骨裏側の違和感、胸やけする感じ
    これらの症状は、前胸部や胸部中心部に最も多く出現し、5分・10分続く場合があります。
    また、放散痛といって、肩、腕の内側、背中、のど、あご、歯などに不快感が出現することもあります。

    心筋梗塞

    一般的に狭心症より強い症状が、30分以上出現する場合があります。

    • ・胸部に激しい痛みを感じる
    • ・胸部が押しつぶされる感じ
    • ・失神、呼吸困難
    • ・息切れ、呼吸困難、疲労感
    • ・胸部の中央から背中、あご、左腕にかけての痛み

    このような症状を自覚した場合には、直ちに医療機関へ受診しましょう。

  • 冠動脈疾患の検査方法

    • ・血液検査
    • ・心電図検査
    • ・トレッドミル負荷試験
    • ・心臓超音波検査
    • ・心臓CT
    • ・心筋シンチグラフィー
    • ・冠動脈造影検査
  • 冠動脈疾患の治療法

  • 心不全(うっ血性心不全)とは

    一つの疾患名ではなく、さまざまな病気が原因で、心臓のポンプ機能が低下し、全身の血液循環が滞った状態のことを言います。十分な血液量があるにもかかわらず、心臓が全身の組織に必要で十分な量の血液を送れない状態です。

    心不全の原因となる代表的な疾患

    • •虚血性心疾患:心筋梗塞
    • •心筋症
    • •高血圧
    • •弁膜症
    • •不整脈
    • •先天性心疾患 など
  • 心不全(うっ血性心不全)の症状

    • ・息切れ、呼吸困難、起坐(きざ)呼吸(こきゅう)
    • ・動悸
    • ・泡状の痰、喘鳴(ぜんめい)
    • ・倦怠感、疲労感
    • ・下肢の浮腫み、体重増加
    • ・食欲不振、腹部膨満感
  • 心不全(うっ血性心不全)の検査方法

    • ・心電図検査
    • ・胸部エックス線検査
    • ・血液検査、尿検査
    • ・心臓超音波検査
    • ・心臓CT
    • ・心臓MRI
    • ・心臓カテーテル検査(心内圧測定、左室造影、冠動脈造影など)
  • 心不全(うっ血性心不全)の治療法

    • ・酸素療法
    • ・薬物療法
    • ・その後心不全の原因特定の精密検査後、治療・手術を検討
  • 末梢性動脈疾患(四肢閉塞性動脈硬化)とは

    動脈硬化によって、手や足の動脈が狭くなったり詰まったりして、血液の流れが悪くなることでさまざまな症状を引き起こす病気です。動脈硬化の原因は、コレステロールなどの成分が動脈の内側に付着したり、高血圧や喫煙など、常に血管に負担がかかることで引き起こされます。
    末梢性動脈疾患(四肢閉塞性動脈硬化)の図

    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

  • 末梢性動脈疾患(四肢閉塞性動脈硬化)の症状

    • ・歩くとふくらはぎに痛みが生じ、少し休むとまた歩き出せる
    • ・じっとしていても足が痛い
    • ・足の傷がなかなか治らない
    • ・足が黒くなる
    • ・足先の色が悪い
  • 末梢性動脈疾患(四肢閉塞性動脈硬化)の検査方法

    • ・ABI/PWV
    • ・血管超音波
    • ・CT
    • ・MRI
    • ・血管造影検査
  • 末梢性動脈疾患(四肢閉塞性動脈硬化)の治療法

    • ・運動療法
    • ・薬物療法
    • ・血行再建術
  • 心臓弁膜症とは

    心臓には4つの部屋があり、4つの弁があります。各弁は、効率よく血液を一定方向に流れるようにする役割を果たしていますが、弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態を「弁膜症」といいます。 弁膜症には弁がうまく開かない「狭窄症」と、弁がうまく閉じない、逆流する「閉鎖不全症」に大別されます。

    主な弁膜症の種類

    大動脈弁狭窄症

    大動脈につながる弁の開きが悪くなり血液が心臓から送り出しづらくなる病気です。心臓から送り出される血液が減少するため息切れしやすくなることがあります。原因は加齢に伴う硬化や先天性疾患などがあります。

    大動脈弁閉鎖不全症

    大動脈弁が完全に閉じ切らずに送り出した血液が左心室へ逆流してしまう病気です。逆流した血液をさらに送り出すため左心室に負担がかかり左心室が拡大します。原因は加齢に伴う硬化や先天性疾患、自己免疫疾患、感染症などがあります。

    僧帽弁狭窄症

    僧帽弁の開きが悪くなり、左心房から左心室への血液の流れが妨げられる病気です。左心房に血液がたまることで血栓ができやすくなります。原因は加齢に伴う硬化や自己免疫疾患などがあります。

    僧帽弁閉鎖不全症

    僧帽弁が完全に閉じ切らずに左心室から大動脈だけに送られるはずの血液が左心房へ逆流してしまう病気です。逆流した血液をさらに送り出すため左心室に負担がかかり左心室が拡大します。原因は僧帽弁逸脱症や加齢に伴う硬化、自己免疫疾患、感染症などがあります。
    心臓弁膜症の図

    画像提供:エドワーズライフサイエンス㈱

  • 心臓弁膜症の症状

    • ・胸部痛、圧迫感
    • ・失神、めまい
    • ・動悸、息切れ
    • ・倦怠感、疲労感
    • ・下肢のむくみ
    • ・動作時に起こる胸の痛みや息切れなど、加齢による体力の低下と似ているため軽視されてしまうことがあります。
  • 心臓弁膜症の検査方法

    • ・聴診
    • ・心臓超音波検査
    • ・心電図
    • ・心臓CT検査
    • ・心臓カテーテル検査
  • 心臓弁膜症の治療法

  • 大動脈瘤とは

    大動脈の一部がコブのように膨らんだ状態をいいます。動脈硬化や感染、高血圧が原因とされ、風船と同じで最初は大きくなるのに力が必要ですが、いったん大きくなり始めると、少しの力で簡単に大きくなっていき、最終的には破裂する危険性があります。大動脈瘤破裂は死亡率の高い疾患であり緊急手術が必要となります。
    大動脈瘤の図

    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

  • 大動脈瘤の症状

    • ・大きさやできた場所によって異なり、症状が無いことがほとんどです。
    • ・胸部にできた場合、胸のつかえ、飲み込みづらさ、かすれ声、咳や喘鳴(ぜんめい)など
    • ・破裂すると激しい痛みが伴います。すぐに救急車を呼んでください。
  • 大動脈瘤の検査方法

    • ・心臓超音波検査
    • ・心臓CT
  • 大動脈瘤の治療法

  • 大動脈解離とは

    通常、大動脈の壁は3つの層で構成されています。 内部から外部に向かって、内膜、中膜、外膜と呼ばれる層があります。 大動脈解離は、内膜が裂けてしまい、外膜との間に血液の通り道が本来のものとは別にもう一つできた状態です。その結果、胸や背中に激痛が走り、大動脈が破裂したり多くの臓器に障害を起こすなど、重大な合併症をもたらし、放置すると命にかかわります。 高血圧や動脈硬化などによって大動脈壁が弱くなり、負荷がかかった際に亀裂が生じることで発症することがあります。
    大動脈解離とはの図

    画像出典:インフォームドコンセントのための心臓・血管病アトラス

  • 大動脈解離の症状

    症状は突然起こります。突然、胸や背中に激痛が起こったら救急車を呼んでください。破裂した場合、ショックにより失神を起こし、命を失うほどの症状をきたすこともあります。

  • 大動脈解離の検査方法

    • ・心臓超音波検査
    • ・心臓CT
    • ・血液検査
  • 大動脈解離の治療法

主な治療法の紹介