アドヒアランス ―自分の医療を学ぶ―
2024年07月01日
医療現場ではコンプライアンスとアドヒアランスという言葉がよく用いられます。
コンプライアンスは、「医療者側からの指示を患者が実行できるかどうか」という意味で使われ、服薬コンプライアンス良好・不良と用いた場合は、「内服薬を指示通りに飲めるかどうか」という意味になります。
一方のアドヒアランスは、「患者が治療方針の決定に賛同し積極的に治療を受ける」という意味で用いられ、患者が病気を理解し積極的に治療を受けているかを表します。
以前、心不全で何度も入院された患者さんが利尿薬に対し、「この薬は飲むとトイレに行きたくなるから飲んでない」と話された事があります。これは患者さんが利尿薬を飲んでいる理由を理解していないため起こった事例です。こうした内服薬の自己調節が入院につながるケースは少なくありません。医療者側の努力だけでは治療は上手くいきません。患者さん自身にも自分の病識を深めてもらい、互いに歩み寄る事でより良い医療につながっていくと思います。