食中毒と便培養検査
2022年05月01日
これから暖かい季節に入ると、細菌が増殖しやすい環境となり、食中毒が多くみられるようになります。
腹痛や下痢などの症状があり、食中毒が疑われる際に行う検査のひとつに便培養検査があります。
便培養は、栄養が入った寒天培地に便を塗り、その培地を細菌が増殖しやすい35℃に温めることで、菌の塊(コロニー)を肉眼で観察できるようにする検査です。
便にはさまざまな種類の細菌が含まれていますが、培地の種類によってコロニーの色や形が異なることから、細菌の種類を判別できます。
たとえば、サルモネラ菌を調べる専用の培地には鉄分が含まれており、サルモネラ菌が産生する硫化水素と反応してコロニーが黒くなることから、他の細菌と鑑別することができます。
食中毒は細菌が付着した食材を食べることで感染が起こるため、食材を十分に加熱することや、保存の際は冷蔵庫に入れるなどの注意が必要です。