日本の腎移植の現状

日本の腎移植の現状

2022年12月01日

 腎臓の働きが、さまざまな原因で徐々に悪くなる病気を慢性腎臓病と呼び、腎臓の機能が10%程度になると透析治療や腎臓移植が必要となります。今回は腎臓移植(腎移植)について説明します。
 腎移植とは、慢性腎不全に陥った人に他の人の腎臓を移植することで、腎臓の機能を取り戻す唯一の治療です。腎移植には、亡くなった人から腎臓を提供してもらう「献腎移植」と、健康な親族から片側の腎臓を提供してもらい移植する「生体腎移植」があります。日本では年間約1600件の腎移植が行われています。
 献腎移植を希望している人は2015年末で約1万2800人ですが、移植は年間約150件しか行えず、移植を受けるまでの待機期間は15年にもおよびます。
 日本では、献腎数の少なさから「生体腎移植」が盛んに行われています。高齢者や糖尿病の人にも積極的に腎移植が行われるようになっており、血液型の異なる人や夫婦など非血縁者間の移植でも良好な成績が得られています。